一般質問 小学生に豊島区のマンガ家アニメ家の方を講師とした授業の提案や、在住外国人比率が高いことを背景としたルール・マナーの法教育、伝統文化の銭湯を使った浴育など、豊島区の特色を活かし、子どもの個性を育む新しいスタイルについての教育の一般質問をさせて頂きました。

お知らせ

平成26年豊島区議会第1回定例会小林弘明一般質問全文「豊かな人間性育む豊島区へ! 特色ある授業づくりのさらなる推進と、首都直下型地震を 想定した、防災教育・地域連携の全区的な取組強化を。」
 


https://www.youtube.com/watch?v=nvFBDNbVV0U
みんな・無所属刷新の会の小林弘明です。

2.「教育都市としま」実現に向けて、特色ある授業づくりの さらなる推進と、首都直下型地震を想定した、防災教育・地域連携の全区的な取組強化を。
について質問します。

平成25年1月19日、豊島区は、「全国学力学習状況調査」で 上位の秋田県能代市と 教育連携協定を 締結(ていけつ)し、話題(わだい)となりました。
能代市への 教員派遣などを通じて、これから豊島区の 学習・学力向上においてその成果が 発揮されることを 私も心より期待しております。
学力の面においては、そうした施策がなされていることで、非常に素晴らしいと思います。
そのうえで、学力以外の「豊かな人間性を育(はぐく)む教育」という 子どもたちの 個性を活かす、好奇心や 探究心を 伸ばしていくことに 対し、どのように取り組んでいくのか、 ということも、教育上非常に 重要ではないでしょうか。

豊島区では、平成13年度より 隣接(りんせつ)学校選択制が 実施されています。
平成25年度、つまり本年度において、保護者が隣接校の小学校を選んだ申請理由は、一番多い順から「通学の距離・安全性」、「兄・姉・親類が在籍」、「友人関係」がそれぞれ96件・17.8%、82件・15.2%、67件・12.4%の順で最も多く、その次に「校風・教育方針」が61件・11.3%でした。
「校風・教育方針」を理由に隣接校を選んだ保護者は、この2年で急激に増えており、教育委員会の皆様、そして学校という現場で働かれている教員、事務員の方々の努力の成果だと思います。
魅力ある学校づくりのさらなる推進と、隣接学校選択制のメリットをより活かすためにも各学校独自の 特色を伝え、明確化した授業展開も必要だと考えています。
例えば、日本車椅子バスケットボール連盟と 連携し、高南小学校で実施している「車椅子バスケットボール体験授業」や、日本補助犬協会と連携し、池袋第三小で 実施している「ほじょ犬交流学習授業」、朋友小の インターナショナルセーフスクールへの取組 などのような特色ある授業・取組は、非常に素晴らしいと考えております。

また、豊島区の特性や伝統、地域の人々を活かした授業もどんどん取り入れていって欲しいと思います。

豊島区は トキワ荘があった場所でもあり、マンガ家文化と深いつながりもありますから、例えば豊島区在住のマンガ家さんやイラストレーターの方々と 協力して、子ども達に 絵を描く楽しみを教えるような出前授業を行うことで、本当の意味で 未来の芸術家を 育てる教育にもつながるのではないでしょうか。
実際、山形大学地域教育文化学部で 発表された研究発表『小学校・図画工作を 指導している 教師の意識と実態』に よれば、教員(きょういん)免許状(めんきょじょう) 更新講習(こうしゅう)の 際に とったアンケートで、小学校 図画工作科の 授業を「教えにくい教科である」と答えた教員の割合が、実に63.5%にも及んでいるのが現状です。
小学校教員は、専科教諭(きょうゆ)の配置がなく、ほぼ全科を 教えるということもあり、美術や技術など、専門的なジャンルにおいては、苦手(にがて)意識(いしき)が 高いことによって、「図画工作が、 教えにくい教科である」という結果に 集約されてしまったのではないでしょうか。

そうした点も考慮すると、マンガ家や イラストレーターの方々に 授業をしてもらうことで、まさに地域資源を有効に使い、子どもたちの可能性を 引き出すことのできる 特色ある授業づくりの推進に、よりつながるのではないでしょうか。

他にも、豊島区の特性を活かす という点でいえば、以前一般質問でも取り上げた、地域の銭湯と 協力した「浴育」や、豊島区在住の外国人が 多いことを考え、地域の行政書士会や 弁護士会と 連携して行う、ルール・マナーを学ぶ「法教育」のようなものを行うということもひとつの特色ある授業づくりであると、考えます。

地域や、専門職、民間企業と 協力したり 連携したりした授業を、各学校に おいてどんどん取り入れていくことで、子どもたちの さらなる可能性・個性・興味を引きだし、また、各校の多種多様な 校風と特色が より明確化されるのではないでしょうか。

そこで質問いたします。
・豊島区の各小学校における、特色ある授業や 教育の実施状況を 教えてください。
・また、それらの特色ある授業が 取り入れられた経緯や プロセスについても、お知らせください。
・出前授業や 特色ある授業を 行うにあたって、学校単位で 独自に決定したり、または 全区的に 一括的に行われたりなど、どのように決定し、実施されているのでしょうか。
それについてお答えください。
・豊島区の特色を生かしたマンガ家やイラストレーターによる、美術の授業や 講座などの 導入推進について、教育委員会として どのように考えているのかの 見解もお知らせください。

「特色ある教育」という面で、素晴らしいと感じたのは、千川中で行われた防災教育です。
つい先日も、防災・震災対策調査特別委員会で 兵庫県神戸市に 視察に行き、平成7年の阪神・淡路大震災の被害状況や、震災前・震災後の防災施策(しさく)、現在の体制と 復興後の街並など 視察させて頂きました。
その中で素晴らしいと感じたのが、防災福祉コミュニティ、略して「BOKOMI(ボーコミ)」の取組です。
「BOKOMI」は、「防災福祉コミュニティ」のことで、町会・自治会といった枠組みを超えた、防災活動や 震災時の連携を 主眼に置いた自主防災組織のことです。
今では 世界中からその取組、 及び 活動を 視察に神戸市へ訪れるなど、阪神・淡路大震災の経験と 教訓が 最大限に活かされています。
「BOKOMI」推進の経緯となった出来事の一つとして、神戸市 長田区(ながたく)の、長田消防署では、阪神淡路大震災の時、消防職員として 職務にあたっていた、鍵本(かぎもと) 長田消防署長から お話を伺いました。

緊急災害時に 消火活動を 優先して行うべき消防職員、消防団が、緊急災害時の対応経験や 指揮命令系統が 整っていなかったために、各自の自主判断で 救出活動や 救助活動を行ってしまったことで、消火活動が対応しきれず、結果として 長田区の焼損面積が 拡がってしまった原因の一つだったそうです。

自然な感情として、やはり目の前の 人命救助や 救出探査(たんさ)活動を 優先したくなるものです。
しかしながら、緊急大災害時には、被害の拡大を防ぐために 消防職員はもとより、消防団も、まず、消火・消防活動を 優先することが大事だ、それが延焼・焼損の防止や、2次被害の拡大を 防ぐことなのだと力強く仰っておりました。

そうした教訓から、緊急大災害発生時には、通常時と違い、消防職員・消防団は 救出活動よりもまず消火・消防活動を最優先にするということを、地域の方々に、しっかりとご理解をいただいているそうです。

神戸市は、こうした阪神・淡路大震災の教訓・経験を活かし、まずは「自助・共助」によるしっかりとした 自主防災組織の積極的な推進を行っています。

ところで豊島区は、人口の数と、昼間(ちゅうかん)人口-来街者の数に 大きな開きがあります。
池袋駅の各事業者の 推計一日平均乗降者数は 約250万人であり、災害時には そうしたたくさんの 来街者を、人口約27万人の 豊島区が 現場で対策に あたらなければなりません。

首都直下型地震に対する備えを 国や都でも 打ち出している中ではありますが、実際の緊急災害時には、消防や救急がどのように 人手が足りなくなるか予測できません。

視察を通して、豊島区でも、従来の消防団や 町会の防災連携を充実させ、豊島区の実状にあった 自主防災組織の拡充が 必要だと考えさせられました。

豊島区は小・中・高校だけでなく、大学・専門学校も 多くあり、学生も多く在籍しています。
例えば、消防団-地域-学生が連携できるような枠組みなどを 構築し、区内の学校に たくさん在籍する学生たちの力を借りる必要があると思います。
そうした際に 本当の意味で 力を発揮するのは、昼間 地元にいて、特に地域に土地鑑のある、中学生などの役割です。
豊島区に学生が多いという特性を活かし、中学生をはじめ各学生達との連携した 新しいスタイルの防災体制づくりが、 神戸市のBOKOMIにかわるものとして 、豊島区独自の防災組織になるのではないでしょうか?
特に平日の昼間(ひるま)、多くの大人は職場にでかけていますし、中学生であれば、体力もありますから、誘導や案内 といったことだけでなく、物を運んだり設営などの力仕事の手伝いも可能です。
やはりそういった意味でも、千川中で行われたような防災教育を、全区的に推し進めて行く必要があるのではないかと考えます。

そこで質問いたします。
・千川中学校で行われた消防活動や消防訓練、防災教育は、どのようなことが行われたのか、それについて具体的にお答えください。
また、
・そうした取組を行うきっかけになった経緯や、導入までのプロセスを教えてください。
・教育委員会として、この千川中学校の取組についてどう評価しているのか、また、今後継続を続けるかどうかや、他校へも同様に導入していくかどうかなど、今後の展開についての見解をお知らせください。
昨年池袋西口で開催された、『「3.11を風化させない」防災フォーラム』では、希望学生によるD級ポンプ操法の訓練発表が行われました。
中学生の防災に対する理解と意識向上のため、例えば区内中学生だけのポンプ操法大会などの開催はいかがでしょうか。

教育には、学力向上だけでなく様々な側面があります。

地域のつながりの希薄化(きはくか)が叫(さけ)ばれてきていますが、子どもからご年配の方までが一体となれるコミュニティづくりや、防災時にも役立つような、安全・安心街づくりを、こうした教育を通じて行っていくことも重要であると考えます。

地域資源を活かし、地域との触れ合いを含めた交流の場として教育を活用し、また子どもたちに対してもそのように教育していくことが、地域愛の形成にもつながるのではないでしょうか。

ぜひ前向きなご答弁をお願いいたします。

<<関連過去記事>>
■神戸市防災福祉コミュニティ視察。
神戸市視察2日目は、阪神・淡路大震災で被害の大きかった神戸市長田区の街並と、当時の様子の状況を消防署で伺いました。
http://kobahiro.jp/blog140131/

■お泊り保育や課外活動の時間を活用した、銭湯での「浴育」授業で銭湯マナー、コミュニケーションの場としての活用を!
http://kobahiro.jp/blog130413-2/

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